ペロブスカイト太陽電池の研究開発

Organo metal perovskite-based organic inorganic hybrid solar cells
ペロブスカイト太陽電池
有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト結晶であるCH3NH3PbI3が、酸化チタンの可視光増感剤としてはたらくことを2009年に見出して以来、この結晶を感光材料に使った固体薄膜太陽電池の研究が活発に行われ、有機系太陽電池のなかでも最高効率(25%以上)をリードする研究分野となっています。電気化学反応がかかわらない発電のしくみから、色素増感型とは一線を画します。
ペロブスカイト太陽電池の第一報は、ペクセル社も研究の発展に大きく貢献しています。
ペロブスカイト太陽電池の開発ストーリーは、「現代化学」にも紹介されました。
現代化学2014年 3月号 No.516 [リンク]
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ペロブスカイト型太陽電池,誕生の瞬間
関連文献
A. Kojima, K. Teshima, Y. Shirai, and T. Miyasaka, “Organometal halide perovskites as visible-light sensitizers for photovoltaic cells“, J, Am. Chem. Soc., 131, 6050-6051(2009).
A. Kojima, M. Ikegami, K. Teshima and T. Miyasaka, “Highly Luminescent Lead Bromide Perovskite Nanoparticles Synthesized with Porous Alumina Media“, Chem. Lett., 41, 397-399 (2012).
ペロブスカイト結晶薄膜は金属酸化物(チタニア、アルミナ)の多孔膜上に、その結晶生成原料を溶液塗布することで数分のうちに形成され、800nmまでの可視光をバンドギャップ吸収によって集光します。その上層に有機正孔輸送材料を接合した薄膜セルは高い電圧(>1V)を出力します。セルは、平易な溶液塗布によって作ることが可能で、その感光波長域をペロブスカイトのハロゲン組成によって変えることもできることから、色素増感太陽電池と同じく、低コストで製造でき、かつカラフルなデザインに繋げることが可能です。
このハイブリッド太陽電池は、ほかの固体接合太陽電池と異なり、化学工程で作ることを特徴とする「化学で作る太陽電池」の典型と言えます。 このペロブスカイト材料の他にも、酸化チタン多孔膜との固体接合で高い電圧(1.2V)を引き出すことのできる有機材料ならびに複合材料を開発し、高効率の薄膜ハイブリッド太陽電池の実現に繋げます。
ペロブスカイト型太陽電池


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