【書籍紹介】実験でわかる 電気をとおすプラスチックのひみつ

「ペロブスカイト太陽電池」の作り方が書籍で紹介されました。

実験でわかる 電気をとおすプラスチックのひみつ コロナ社 2017/12/28

http://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339066449/

著者は、2000年ノーベル化学賞の白川英樹先生と廣木一亮先生( 津山高専准教授 )です。

ペロブスカイト太陽電池は、昨年はノーベル化学賞候補として一躍脚光をあびた次世代太陽電池です。弊社では、この太陽電池をいち早く中高生にも届けるために、材料や作製方法の検討を重ねてきました。その成果を、白川先生と廣木先生の手で書籍の形で紹介していたけることになりました。

本書に紹介されたペロブスカイト太陽電池の作製方法は、桐蔭学園高校の課題研究向けに、2014年頃から毎年検討を重ねてきたものです。2016年の実験テキストをベースに、書籍に紹介されました。

「ペロブスカイト太陽電池の作製でもっとも重要なポイントは?」

もちろん光発電層となるペロブスカイト膜の製膜も大切ですが、何よりも、「コンパクト層(短絡防止層)」の製膜が重要です。これは、高校の実験室で作ろうとしますと、とても難しい作業になります。

ペロブスカイト太陽電池の基本的な作り方は次の通りです。①コンパクト層→②メソポーラス層→③ペロブスカイト層→④ホール輸送層→⑤電極です。ところが、高校の実験室でつくろうとすると、いきなり、①コンパクト層(短絡防止層)をつくるところで、壁にぶつかってしまいました。

多くの実験教室で作る電池(色素増感太陽電池、レモン電池、備長炭電池、など)は、電解液を用いる湿式太陽電池です。電解液は、よい具合に「短絡防止」の役割も果たしてくれます。ところが、電解液を使わない固体太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)では、この短絡防止、つまり、電池の中でプラス電極とマイナス電極の接触を防ぐこと、が、電池作りのとても大切なポイントとなります。

そこで、弊社で開発した、「コンパクト層付透明導電プラスチックフィルム」を高校での実験に採用することにしました。

「PECF-IP-BF」

このフィルムを使うと、フレキシブルペロブスカイト太陽電池を、理科実験の授業時間内に、作ることができます。

高校や中学校で色素増感太陽電池を作ったことがあるかたも多くいらっしゃると思います。そのような方でも、ペロブスカイト太陽電池の作り方は色素増感太陽電池とは、まったく違うことに気をつけて作らなくてはなりません。また、勉強しなくてはならない項目についても、たくさんでてきます。

有機無機の混合イオン結晶、結晶構造、配位数、金属イオンの定性分析、半導体、導電性高分子、光エネルギー変換、ナノテクノロジー、など様々なことがペロブスカイト太陽電池から学ぶことができます。

ぜひ、最新の科学を、ペロブスカイト太陽電池を通じて体験してみてください。

ただし、実験は、使用に注意が必要な「鉛化合物」を使います。

実験は、かならず、鉛化合物の廃棄方法や取扱い方をご存知の先生の指導のもとに行なってください。

部材については、eigyou@peccell.com

 までお問合せください。